――「洗うだけでスキンケア」「角栓まで落とす」「潤いを与える」……洗顔料やクレンジングに躍るキャッチコピーは良いことばかり。でも、本当に肌にいいの? そこで、定番&人気のアイテムを、化粧品の成分解析で知られるかずのすけ氏と、化粧品検定一級で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)が大検証!

■「リキッド」は良質成分、一方メイクが落ちない「洗顔料」
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【商品名】左から、1)花王 ビオレ メイク落とし パーフェクトオイル 2)花王 ビオレ うるおいクレンジングリキッド 3)花王 ビオレ メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌 

【PRコピー】
1)パーフェクトオイル
手や顔がぬれていても、ウォータープルーフマスカラや毛穴のメイクまでぐんぐん溶かして落とします。さっぱり洗えて、ベタつきません。
2)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌
保湿成分配合で肌のうるおいを守って洗って、しっとりやわらかなつるすべ肌に。
3)うるおいクレンジングリキッド
ウォータープルーフマスカラも、しつこいヌルつきも、すすげばサッと離れる!しかも、洗い上がり肌つっぱらない!

【総合評価(A~D)】
かずのすけ氏:1)D 2)B- 3)C 
安藤氏:1)A 2)A 3)D

◎全成分
1)パーフェクトオイル
ミネラルオイル、ラウリン酸PEG-12、イソドデカン、水、パルミチン酸イソプロピル、シクロメチコン、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、デシルグルコシド、ポリソルベート85、オレイン酸グリセリル、イソステアリン酸、イソステアリルグリセリル、イソステアリルグリセリルペンタエリスリチル、ミリスチルアルコール、エタノール、クエン酸、リン酸、BHT、香料、トコフェロール

2)うるおいクレンジングリキッド
水、グリセリン、BG、ラウリン酸PEG-12、ミネラルオイル、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソノナン酸イソノニル、デシルグルコシド、テトラオレイン酸ソルベス-30、PPG-9ジグリセリル、エタノール、香料

3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌
水、ソルビトール、ラウレス-6カルボン酸、ミリスチン酸、ラウリルヒドロキシスルタイン、水酸化K、ラウリン酸、パルミチン酸、セチルジメチルブチル、ヒアルロン酸Na、ローヤルゼリーエキス、ポリクオタニウム-39、PEG-45M、オクトキシグリセリン、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマー、PEG-6、酸化チタン、エタノール、EDTA-2Na、フェノキシエタノール、香料

<かずのすけ氏の成分解析評価>
1)ミネラルオイル+非イオン系乳化剤に「イソドデカン」というさらに強力なメイク溶剤を配合。ウォータープルーフマスカラなど強力なメイクも落とすパワーが期待できます。ただし、乾燥しやすいので短時間のクレンジングを推奨。

2)これまでのクレンジングリキッド(過去掲載済のソフティモ、肌ラボ、ハイピッチ、ビフェスタ)の中では、一番良質の成分です。低刺激のグリセリン・BGをベースにして、非イオン系界面活性剤を数種類配合。ミネラルオイルを若干配合することでメイク落ちを補助している構成。オイル系と比べるとメイク落とし力は弱い半面、肌への負担は少なくなります。ただし、洗浄力が弱いので長時間こすってしまうと、それが肌の負担になるので気をつけましょう。

3)主成分は酸性石けん+通常の石けんなので、実質的にはただの洗顔料です(ソルビトールは保湿剤の一種)。メイク落としについては、通常の石けんは元々洗浄力がとても高いため、普通に洗っても大抵のメイクは落とせてしまうものです。これと言って特別なメイク落とし機能の工夫は見られない構成です。

<安藤実和子の使用感レビュー>
・汚れ落ち
1)パーフェクトオイル:★★★★★
2)うるおいクレンジングリキッド:★★★★★
3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌:★☆☆☆☆
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 オイルとリキッドはどんなメイクもキレイに、そして素早く落とせました。一方、洗顔タイプではアイライナーと口紅は比較的ハッキリ残りました。また、ファンデーションやアイシャドウのラメも落ちにくい印象です。

・保湿力
1)パーフェクトオイル:★★★★☆
2)うるおいクレンジングリキッド:★★★★★
3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌:★★★★☆
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 やや乾燥気味の肌で試しました。肌がうるおう実感はありませんが、どのタイプも大きな乾燥を感じませんでした。オイルタイプはややカサつきますが、他のオイルと比べるとつっぱり感はなく、その点は評価できます。

・ヌルつきのなさ
1)パーフェクトオイル:★★★★★
2)うるおいクレンジングリキッド:★★★★☆
3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌:★★★★★
 リキッドタイプは、やや流しにくい傾向がありましたが、基本的にどの商品もさっぱり洗い流すことができます。洗顔タイプも泡切れがよく、簡単にすすげました。

・テクスチャー
1)パーフェクトオイル:★★☆☆☆
2)うるおいクレンジングリキッド:★★★★★
3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌:★★★☆☆

biore-clen3 一番良いのはリキッドタイプです。とろみがあり、ノビ・持続力が良い印象です。サラサラしたオイルは濡れた顔に使うと、すぐに消えてなくなってしまいました。洗顔は泡立ちが良く、ヘタレにくいので洗いやすいですね。

・メイクを落とす力加減の弱さ
1)パーフェクトオイル:★★★★★
2)うるおいクレンジングリキッド:★★★★★
3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌:☆☆☆☆☆
 力をかけずにメイクを落とせたのは、オイルとリキッドです。とろみがある分、リキッドタイプの方が摩擦もかけずに落とせました。洗顔タイプはそもそものクレンジング力が弱いので評価はできません。

◎口コミ分析
○良い口コミの傾向
1)パーフェクトオイル
・力を入れず濃いメイクを落とせる

2)うるおいクレンジングリキッド
・キレイに落とせるのにつっぱらない

3)メイクも落とせる洗顔料
・厚めのベースメイクでも落ちる

×悪い口コミ
1)パーフェクトオイル
・肌が若干つっぱる

2)うるおいクレンジングリキッド
・目にしみる、かゆくなった

3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌
・メイクが落ちない

結論:選ぶ基準は、肌質とメイクの濃さ!
 それぞれ長所と短所があるので、肌質とメイクの濃さで選ぶべきタイプが変わります。オイルとリキッドはどの点においても好成績でした。肌質に合わせて選ぶと良いですね。洗顔タイプはW洗顔不要にもかかわらず、メイクが全く落ちないのでD判定です。

1)パーフェクトオイル
ややつっぱるので普通肌〜脂性肌の方におすすめです。リキッドと同じくらいのクレンジング力ですが、濡れた手でも落ちやすいのはオイルタイプです。濃いメイクをお風呂場でササッと落としたい人にぴったりでしょう。

2)うるおいクレンジングリキッド
肌がつっぱりにくいので、乾燥肌の人でしっかりメイクを落としたい人向きです。目の周りがかゆくなるという口コミが目立ちますが、肌は人それぞれ違うので全ての人に合う化粧品は存在しません。心配な人は少量から試してみてください。

3)メイクも落とせる洗顔料 つるすべ美肌
クレンジング力が弱いので、濃いメイクが好きな方にはおすすめできません。薄化粧の方であれば、洗顔も一緒にできるので手軽にメイクオフしたいときにピッタリです。

<検証者プロフィール>
かずのすけ
横浜国立大学大学院卒。環境学修士・教育学学士。現在は研究活動と併行し、化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などを行う。著書に『化学者が美肌コスメを選んだら』(三五館)『間違いだらけの化粧品選び 自分史上最高の美肌づくり』(リンダパブリッシャーズ)。ブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

安藤美和子(あんどう・みわこ)
化粧品開発の経験とネットワークを活かし、医師、エステティシャン、スポーツトレーナー、美容部員、美容師、など美と健康の専門家を組織化。「アンチエイジングの神様」サイトを立ち上げ、編集ディレクターを務める。サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級の有資格者で、雑誌やWEBメディアへの寄稿も行う。

【作品名】「逆転スメルハラスメント」(前編) 【作者】桜井まり子『ご近所の悪いうわさ』

【作品紹介】隣の席の派遣社員は鼻バカ女、男どもは口臭、体臭、洗濯生乾き! 悪臭だらけの地獄の職場で、ようやく見つけた理想の“無臭男子”。そこへ安っぽいニオイを撒き散らす新入社員が現れて……。

【サイゾーウーマンリコメンド】個人的に、無香商品よりニオイつきの方が好きなのですが、こちらの主人公による「手から食べ物のニオイをさせてどうすんの」というハンドクリーム評、「頭から果物のニオイさせて楽しい?」というシャンプー評に、真理を突かれた気持ちになりました……。

――「洗うだけでスキンケア」「角栓まで落とす」「潤いを与える」……洗顔料やクレンジングに躍るキャッチコピーは良いことばかり。でも、本当に肌にいいの? そこで、定番&人気のアイテムを、化粧品の成分解析で知られるかずのすけ氏と、化粧品検定一級で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)が大検証!

■コスパ◎で汚れ落ちも良いが、構成に多々問題も
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【商品名】花王 ビオレ スキンケア洗顔料 モイスチャー同・リッチモイスチャー同・マシュマロホイップ リッチモイスチャー

【PRコピー】
<モイスチャー>「洗うスキンケア」洗うことで 素肌の美しさをひきだす/洗い上がり、いい肌ざわり
<リッチモイスチャー>美容液成分配合/きめ細かくてやわらかな肌あたりの泡で、しっとりもちもちの素肌
<マシュマロホイップリッチモイスチャー>泡がへたらないから、洗い終わりまで肌をこすらず洗えます/洗いあがりしっとりなめらかな素肌

【総合評価(A~D)】
かずのすけ氏:モイスチャー C/リッチモイスチャー C-/マシュマロホイップ D 
安藤氏:モイスチャー B/リッチモイスチャー B/マシュマロホイップ C

◎全成分
<モイスチャー>
水、グリセリン、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウレス-6カルボン酸、パルミチン酸、水酸化K、ラウリン酸、ソルビトール、ポリクオタニウム-7、PG、EDTA-2Na、メチルパラベン、香料

<リッチモイスチャー>
水、ソルビトール、グリセリン、ミリスチン酸、ラウレス-4カルボン酸、ラウリルヒドロキシスルタイン、水酸化K、ラウレス-6カルボン酸、ラウリン酸、エチルヘキシルグリセリン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、ポリクオタニウム-7、パルミチン酸、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100、EDTA-2Na、PEG-6、ポリクオタニウム-39、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、PEG-65M、酸化チタン、フェノキシエタノール、香料

<マシュマロホイップリッチモイスチャー>
水、グリセリン、デシルグルコシド、PPG-9ジグリセリル、ラウリルヒドロキシスルタイン、PG、ラウレス-6カルボン酸、エタノール、タウリン酸、ポリクオタニウム-39、炭酸Na、炭酸水素Na、ミリスチン酸、パルミチン酸、水酸化K、フェノキシエタノール、香料

<かずのすけ氏の成分解析評価>
・スキンケア洗顔料 モイスチャー/リッチモイスチャー
 通常のカリ石けんに、花王専売特許の低刺激性洗浄成分「酸性石けん(ラウレス-6カルボン酸Na)」を配合。しかし、主成分は石けんなので基本的にはアルカリ性・高脱脂の洗顔料ということになります。高い洗浄力の、一般的なペースト状洗顔料です。

 リッチモイスチャータイプは主成分にソルビトールが配合され、さらにアクリル系ポリマーなどの増粘成分が多く配合されており、保湿成分の残存を図っている工夫が見られます。通常タイプより洗浄後のしっとり感が強調される使用感が予想されます。ただし、成分の残存は必ずしも良いことではなく、敏感肌やアトピーの体質にとってはかえって肌に刺激になる懸念もある点注意が必要です。

・マシュマロホイップリッチモイスチャー 
 非イオン系洗浄成分「デシルグルコシド」を主成分にした特殊な洗顔料です。デシルグルコシドは食器用洗剤の補助洗剤にも使われる強力な脱脂成分(クレンジング剤)です。クレンジング作用もあり粘膜には低刺激ですが、強力な油分の除去力(脱脂作用)を持つため短時間での洗顔がマスト。さらに炭酸Naや炭酸水素Naによってアルカリ性に傾いているため、添加されている石けんの活性が強まり敏感肌への刺激が懸念される構成です。泡で出てくる洗顔料で使い勝手は良いですが、構成に多々問題がうかがえます。

<安藤実和子の使用感レビュー>


・汚れ落ち ︎︎
モイスチャー ★★★☆☆
リッチモイスチャー ★★★☆☆
マシュマロホイップ ★★★☆☆

3つとも汚れが取れたのを実感できます。中でもモイスチャーがスッキリ感がありました。

・ 保湿力 ︎

モイスチャー ★★☆☆☆
リッチモイスチャー ★★★︎︎☆☆
マシュマロホイップ ★★★☆☆
 普通肌で試したところ、モイスチャーよりリッチモイスチャーが若干しっとりしました。しかし、3つに大差はなかったので、選ぶ際に保湿力は気にしなくてよいでしょう。

・ 泡立ち
biore_2モイスチャー ★★☆☆☆
リッチモイスチャー ★★★★☆
マシュマロホイップ ★★★★☆
 マシュマロホイップはプッシュで泡ができますが、水気のある泡ですぐにヘタれます。モイスチャーは泡立つまでに時間がかかりますが、キメ細かい泡が作れます。リッチモイスチャーはキメ細かい泡が簡単に作れました。泡立ちで選ぶのであればリッチモイスチャーがおすすめです。

・ 泡の持続力
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モイスチャー ★★★★☆
リッチモイスチャー ★★★★☆
マシュマロホイップ ★☆☆☆☆
 マシュマロホイップはすぐに泡が消えました。リッチモイスチャーとモイスチャーに大差はありませんでしたが、モイスチャーの方が若干泡の持続性があるように感じました。

・ 洗顔後の肌(PRポイント)
biore_4モイスチャー ★☆☆☆☆
リッチモイスチャー ★☆☆☆☆
マシュマロホイップ ★☆☆☆☆
 「洗うスキンケア」のCMが印象的ですが、3つともスキンケアとしての機能は果たしませんでした。そもそも洗い流す“洗顔“でスキンケアは完了しないのでご注意ください。

◎口コミ分析
○良い口コミの傾向
<モイスチャー> ・ 本当に文句なし

<リッチモイスチャー>
・ しっとり洗い上げてくれる

<マシュマロホイップ>
・泡で出るから朝に重宝している

×悪い口コミの傾向
<モイスチャー>
・洗顔後がちょっとつっぱる

<リッチモイスチャー>
・泡切れが悪く、ぬるぬるが残るのが不快

<マシュマロホイップ>
・泡が頼りなく2プッシュじゃ足りない

◎結論:肌質・目的に合わせて選ぶのがおすすめ!
 ビオレの洗顔は特別悪い部分を感じることはありませんでした。コスパも良いので一度使ってみる価値はあるでしょう。種類を選ぶ際は、パッケージに記載されている「〇〇の素肌に」を参考にしてみてください。扱いやすい洗顔です。肌への刺激も気になりませんでした。コスパもいいのでプチプラで購入するのであればオススメできます。マシュマロホイップは泡の質が悪いので評価を一つ下げさせていただきます。

 今回使用した3種類であれば以下の方におすすめです。

<モイスチャー>
・普通肌
・力強い泡で洗顔したい
・さっぱりとした洗い心地が好き

<リッチモイスチャー>
・ しっとりとした洗いあがりが好き
・ 濃密な泡で洗顔したい
・ 甘い香りが好き

<マシュマロホイップ>
・ 泡を作るのが苦手
・ とにかく時短で洗顔したい

<検証者プロフィール>
かずのすけ
横浜国立大学大学院卒。環境学修士・教育学学士。現在は研究活動と併行し、化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などを行う。著書に『化学者が美肌コスメを選んだら』(三五館)『間違いだらけの化粧品選び 自分史上最高の美肌づくり』(リンダパブリッシャーズ)。ブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

安藤美和子(あんどう・みわこ)
化粧品開発の経験とネットワークを活かし、医師、エステティシャン、スポーツトレーナー、美容部員、美容師、など美と健康の専門家を組織化。「アンチエイジングの神様」サイトを立ち上げ、編集ディレクターを務める。サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級の有資格者で、雑誌やWEBメディアへの寄稿も行う。

――「洗うだけでスキンケア」「角栓まで落とす」「潤いを与える」……洗顔料やクレンジングに躍るキャッチコピーは良いことばかり。でも、本当に肌にいいの? そこで、定番&人気のアイテムを、化粧品の成分解析で知られるかずのすけ氏と、化粧品検定一級で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)が大検証!

■植物エキスに美容効果ナシ、泡立ち悪く肌刺激が心配な“オーガニック”

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【商品名】無印良品 オーガニック洗顔ジェル(100g/税込み1,200円)
【PRコピー】8種類のオーガニック植物エキスとオーガニックのアロエベラ液汁を天然うるおい成分として配合/しっとりとした洗い上がり

【総合評価(A~D)】かずのすけ氏:C+ 安藤氏:C

◎全成分
水、カリ石ケン素地、ココアンホ酢酸Na、ココイルメチルタウリンNa、コカミドプロピルベタイン、塩化Na、アロエベラ液汁、セージ葉エキス、タチジャコウソウ花/葉/茎エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ラベンダー花エキス、ローズマリー葉エキス、アルテア根エキス、カミツレ花エキス、ホホバ葉エキス、ポリクオタニウム-51、BG、ポリソルベート80、EDTA-4Na、クエン酸Na、ポリクオタニウム-6、亜硫酸Na、エタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、香料

<かずのすけ氏の成分解析評価>
 カリ石けん素地(液体石けん)が主成分の洗顔ジェルです。石けんなので、アルカリ性で比較的高脱脂になりますが、両性イオン系界面活性剤やアミノ酸系界面活性剤を添加して、刺激緩和型の処方になっています。通常の固形石けん(石けん素地)よりも、カリ石けんの方が肌への刺激は優しいといわれているため、石けん系洗顔料として比較的優しいものです。

 ちなみに、沢山の植物エキスなどを配合していますので、オーガニックなイメージが付いていると思います。ただし、あくまで洗顔剤ですのでエキスは肌に残らず、特に美容効果的な意味はありません。ポリクオタニウム51が「リピジュア」という保湿成分で、しっとり洗い上がる場合はこの成分の効能です。石けん系としては中々優秀ですが、アルカリというだけで敏感肌やアトピーには負担になるのでその点注意が必要です。

<安藤実和子の使用感レビュー>

・ 汚れ落ち:★★☆☆☆
肌表面の汚れは落としてくれました。しかし、皮脂を落とす力が弱く、ヌルッとした感覚が残りました。

・ 保湿力:★★★★︎☆

普通肌で試したところ、肌はしっとりしました。触るともちもちしているのを実感できます。

・ 泡立ち:★★★☆☆
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泡は簡単にふわふわっと作ることができます。しかし、水気が多くキメの荒い頼りない泡でした。

・ 泡の持続力:★☆☆☆☆
mujirusi-3ふわふわですが、スカスカの泡は頬につけてすぐ垂れてきました。15秒ほど洗うと泡は消えてしまい、持続力は期待はずれの結果です。

・ しっとり感(PRポイント):★★★︎☆☆
普通肌のチーム員が使用するとしっとり感ではなく、ヌルつきを感じました。しかし、洗浄力がマイルドなので、乾燥肌の方は丁度良いしっとり感を得られそうです。

◎口コミ評価
○良い口コミの傾向
・ふわふわの泡が簡単に立てられる
・ ハーブの香りが好き
・ 洗い上がりの肌がツルツルになる

× 悪い口コミの傾向
・ カスカスの泡
・ 肌がつっぱる
・ 泡切れが悪い

◎ 結論:コスパの良いオーガニック系の洗顔を使用したい方におすすめ!
 オーガニック系の洗顔は合成成分の配合を抑えているため、泡立ちが悪いことが多いです。また、汚れ落ちがイマイチなのも否めません。普通肌〜脂性肌の方には物足りなさがありそうです。

 しかし、洗浄力はマイルドでしっとり洗いあげることができるので乾燥肌の方には丁度良いでしょう。無印良品の中でもコスパが良いので、オーガニック系の洗顔に興味がある方は試してみてください。乾燥肌・敏感肌以外には洗浄力が低すぎる。泡立ちも悪く肌への刺激が心配です。

<検証者プロフィール>
かずのすけ
横浜国立大学大学院卒。環境学修士・教育学学士。現在は研究活動と併行し、化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などを行う。著書に『化学者が美肌コスメを選んだら』(三五館)『間違いだらけの化粧品選び 自分史上最高の美肌づくり』(リンダパブリッシャーズ)。ブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

安藤美和子(あんどう・みわこ)
化粧品開発の経験とネットワークを活かし、医師、エステティシャン、スポーツトレーナー、美容部員、美容師、など美と健康の専門家を組織化。「アンチエイジングの神様」サイトを立ち上げ、編集ディレクターを務める。サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級の有資格者で、雑誌やWEBメディアへの寄稿も行う。

este40425お安い金額で、イイことしたい! 得したい!」という女の欲望を刺激する、「クーポン雑誌」「クーポンサイト」が巷に溢れまくっている現代――。しかしあまりの安さに、「こんなに安くて大丈夫?」「逆に損するなんてやーよ!」と、クーポンに半信半疑の人もいるはず。そんなあなたに向けて、女が特に気になる「美容・健康クーポン」を、世界で最も「安い!」に弱い大阪出身の女性ライターが、覆面調査員としてレポートしちゃいます!

 春真っ只中の今日この頃、美肌ケアに勤しもうと“サロンジプシー”をしている筆者である。最近もクーポンを握り締め、あちらこちらのサロンに潜入しているのだが、筆者がオバさんだからなのか、その効果も翌朝までといったところ……。今回は、そんな美肌ケアサロンの中でも、印象的だった3つの店舗をご紹介する。

潜入その1
突然の「上裸になれ」に動揺!/池袋・S
【メニュー】漢方美顔+両腕・胸ケア+パック
【クーポン価格】1,980円(40%オフ)

 店舗名からして、日本人が経営しているサロンではないだろうと思いつつ、予約の電話をしてみると、やはり日本語がかなり不安定な従業員が対応してくれた。クーポン愛用者の人にとっては“あるある”だろうが、「日本語がいまひとつ通じないサロン」というのは、“地雷サロン”の場合が多いのだ。

 ドキドキしつつも、「当日の施術可能」という言葉に釣られ、いざサロンへ。店舗は、池袋からすぐの場所にあったが、店内はガラガラ。駅近のサロンというのは、繁盛しているのが常なのに、こういうケースはなかなか珍しい。そりゃあ突然電話をして、すぐ予約が取れるわけである。

 さて、美肌ケアサロンの従業員が汚肌だったら、その時点で帰りたくもなるものだが、同サロンの従業員はお肌すべすべの女性が2人。ただ、かなり若い感じがする……その肌のきれいさは、ただ単に「若さゆえ」なのかもしれない。

 なにかと不穏な空気を醸し出してくる同サロン。さらに驚いたのは、どんなサロンでも必ず行われるカウンセリングの類いが一切なく、そのまま施術ルームに通され、突然「上半身の衣服を脱いでください」とのこと。まだ会って数分なのに、乳丸出しは気まずい。Tシャツ1枚上に載せる格好で横になり、バスタオルを首までかけられ施術がスタートした。

 今回、筆者は“漢方美顔コース”というのを選択。スチーマーをかけながら、ディープクレンジング、その後、頭、両腕、胸周辺を軽く揉まれ、その後フェイシャルマッサージとなる。正直、思っていたほど痛くはないものの、グイグイとリンパの滞りを流されている感はあり。その後、「サービスします」と何度も言われ、漢方薬草パックを施されたのだが、実はこのパックは、クーポンに含まれているものなのである。どうやらこの従業員は、クーポン内容すら把握していないのではないか……と思ってしまった。

 顔にパックを塗られ、20~30分間の放置タイム後、簡単なトリートメントで施術は終了。実際の手技は約20分程度であった。確かに、肌はワントーン白く輝く肌になったと思ったが、誰からも「キレイ」の一言は聞けず。肌がきれいになったと思ったのは、単に洗脳されただったのかもしれない。

クーポン満足度評価/★★★☆☆
リピーター思案評価/★★☆☆☆
※クーポンで得をしたのかしなかったのか、微妙なサロンだった……

潜入その2
激安だけど…あまりのショートタイム!/外苑前・G
【メニュー】たまご肌×小顔を同時にめざす、贅沢フェイシャル(2回分)
【クーポン価格】1,280円(通常価格:1カ月通い放題4,990円~)

 「2回で1,280円」の激安さに惹かれて購入したGというサロンのフェイシャルクーポン。場所はオシャレな青山だが、同店はどちらかというと“新宿レトロ”といった風格があった。店内を見渡すと、ベッドスペースはカーテンで仕切られ、一応個室ではあるものの、ちょっと狭い印象だ。

 2回1,280円のコースは、フェイシャルエステ+毛穴洗浄&小顔矯正のメニューとのこと。施術はベッドに仰向けに寝てスタート。まずは、普段のクレンジングでは落としきれていない毛穴に詰まったメイクの油汚れや角質を落とす「泡洗顔」と「毛穴洗浄」を行い、その後、EGF(ヒトオリゴペプチド―1)などのエイジングケア成分と、プロテオグリカンなどを配合した美容成分たっぷりのローションを塗布、そして小顔リンパマッサージと進んでいく。最後は美白・保湿力の高いカスタードマスクでパックとなり、所要時間は約30分。ただし、最後のパックは15分以上放置プレイとなるので、施術といえるのは、実際には15分程度だ。

 とはいえ、導入されているマシーンがスゴイのか、手技がスゴイのか、終了後にはお肌がスベスベ! サロンのシステムはなんと、ちょっとしたお月謝価格4,990円で毎日通ってもイイというものなので、職場や自宅が近いなら、とてもお得かもしれないが、遠方の人にはなかなか手が出しづらいだろう。クーポンを出すより、近隣の人にチラシを配った方がいいのでは? と口出しをしてしまいそうになった。

クーポン満足度評価/★★★☆☆
リピーター思案評価/★★☆☆☆
※近場でしかお得感を得られないのはちょっと!

潜入その3
宣伝写真に気をつけて!/港区・A
【メニュー】人気の2コースから選べるフェイシャル
【クーポン価格】1,580円(97%オフ)

 最近、筆者が穴場だと思っているクーポンサイトが「ク●●ン」である。いつものように同サイトをチェックしていると、“金箔エステ”のクーポンに「おっ!」と目が釘づけになった。あのクレオパトラも愛したという“金”を使ったエステは、シミ、くすみ、シワ、ほうれい線……など、筆者のようなオババが気にする肌の悩みをリセットしてくれるという。なんでも、純金が発するマイナスイオンは、我々の体の中の生体電流を整え、新陳代謝にアプローチするそうで、美容成分の吸収や老廃物の排出をサポートする働きがあるとのこと。その効果により、ツヤツヤ、プルプルの素肌が手に入るというのだが……百聞は一見にしかず! もう買うしかない! それに、広告写真を見ると使用される金箔は“特盛状態”とあって、まさに夢のようなクーポンを手に入れたと心が踊った。

 しかし、激安エステに目がないのは筆者だけではなかったようで、予約がなかなか取れない。とりあえず予約が取れる一番近い日付を押さえ、麻布十番商店街にほど近くの店舗へと向かった。

 実はうっかり30分も早く着いてしまったのだが、いつぞやのサロンのように「もう一度来い」と迷惑がられることもなく、丁寧に対応してもらい、なんとお茶まで出してくれるというサービスぶりだった。

 今回、筆者を担当してくれたのは、超ベテランといった風情の女性。筆者の顔を見て、「乾燥が気になるわ~。5年後のお肌がシミだらけになるわよ」と言われ、ラジオ波を用いた“マジックフェイシャル”なるメニューをオススメされた。しかし、こちらはクーポンメニューにない施術だったので、通常価格1万1,800円がかかるといい、ドケチの筆者は、迷うことなく当初希望していた(5万4,000円相当の)金箔エステをクーポン利用することにした。

 が……施術に入り驚いたのは、広告写真では顔にびっしり金箔(しかも金沢の純金)を置いていたのに、実際には金箔は1枚のみ! そのことを問うと、「写真はイメージなので金箔を20枚使用しました」とニコリ! 「それはやっちゃダメなやつでは?」と心の中で叫びつつも、熟練の手技でクレンジングマッサージ、ビタミンCの120~200倍の抗酸化力を持つとされている美容成分フラーレン配合の美容液パック、金箔ピールエステなどを受けるうちに夢心地になってしまった。その間、担当者と痩身の話になり、「2回4,000円のクーポンがあるけど」と勧められるがままに、なんと衝動買いまでしてしまうとは……トホホ。施術後、ワントーンアップした肌を鏡で見つつ、この美しさはいつまで続くのかと深いため息をついてしまった筆者である。

クーポン満足度評価/★★★☆☆
リピーター思案評価/★★☆☆☆
※サロンの雰囲気はとてもイイ感じでした

吉原杏(よしわら・あんず)
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生~ゼロからわかる株の教科書~』(オープンアップス)などのアプリ作家として活動。

――「洗うだけでスキンケア」「角栓まで落とす」「潤いを与える」……洗顔料やクレンジングに躍るキャッチコピーは良いことばかり。でも、本当に肌にいいの? そこで、定番&人気のアイテムを、化粧品の成分解析で知られるかずのすけ氏と、化粧品検定一級で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)が大検証!

■保湿・キメの整いは期待はずれ、石けんで洗うよりマシレベル
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【商品名】
・ダヴ ビューティモイスチャー洗顔料(130g/参考価格499円)
・ダヴ ビューティモイスチャークリーミー泡洗顔料(160ml/参考価格699円)
【PRコピー】うるおってはずむ肌に/キメを整える/肌の内側(角質層)までうるおいを与える

■総合評価(A~D):B(洗顔料/かずのすけ)C(泡タイプ/かずのすけ)D(いずれも/安藤氏)

◎全成分
<ビューティモイスチャー洗顔料>
水、ワセリン、ココイルグリシンK、グリセリン、ヤシ脂肪酸K、ラウロアンホ酢酸Na、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、アクリレーツコポリマー、ラウリン酸、ラウラミドプロピルベタイン、ステアリン酸、パルミチン酸、ココイルイセチオン酸Na、イセチオン酸Na、ヤシ脂肪酸、ポリブテン、ポリクオタニウム-6、クエン酸、EDTA-4Na、BHT、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、香料

<ビューティモイスチャークリーミー泡洗顔料>
水、ココイルグリシンK、PG、グリセリン、ラウロアンホ酢酸Na、ステアリン酸、パルミチン酸、水酸化K、ジステアリン酸PEG-150、PPG-6デシルテトラデセス-30、クエン酸、EDTA-2Na、BHT、メチルイソチアゾリノン、香料

<かずのすけ氏の成分解析評価>
 基本の洗浄成分は、「ココイルグリシンK」というアミノ酸系石けんになります。アミノ酸系石けんは、ほかのアミノ酸系洗浄成分と異なり、弱アルカリ性の洗剤で、使用感も石けんとよく似ています。石けんと比較すると、こちらの方がやや低刺激の洗剤になります。ただし両商品とも通常の石けん成分も多めに添加されているため、洗浄力などはかなり高めです。

 両者の違いとして、通常のダヴは保護作用の油性成分「ワセリン」を多く配合しているため、過度な脱脂を防ぐことができます。一方で、泡タイプは水を加えなくても泡が立てられるように最初から成分が薄まっているため、どうしても消費速度が早くなるのと、さらにワセリンなどの配合がなく、成分が簡素化されているにもかかわらず価格が高額であることから、比較すると通常のモイスチャー洗顔料の方が優れているという結論になります。ただし泡タイプは泡が最初から出るというメリットもあります。

<安藤実和子氏の使用感評価>
◎使用感レビュー
・汚れ落ち
ビューティモイスチャー:★★☆☆☆
クリーミー泡洗顔:★★☆☆☆
どちらも肌表面の汚れは落としますが、皮脂の詰まりまでは落としきれませんでした。

・保湿力
daev1
ビューティモイスチャー:★★☆☆☆
クリーミー泡洗顔:★★☆☆☆
肌を保湿しているというより、洗顔料がぬるっとしている感覚です。また、しばらくすると肌がつっぱるので、保湿力は低く感じました。

・泡立ち
dave2
ビューティモイスチャー:★★★☆☆
クリーミー泡洗顔:★★★★☆
 ビューティモイスチャーは簡単に泡立ちました。キメ細やかでふわふわの泡が好印象です。一方、クリーミー泡洗顔はプッシュで簡単に泡ができますが、水気が多いのが残念な印象です。

・泡の持続力
dave3
ビューティモイスチャー:★☆☆☆☆
クリーミー泡洗顔:☆☆☆☆☆
 どちらの泡も簡単に潰れました。キメが細かったビューティモイスチャーまで泡が持続しなかったのは残念です。

・キメを整える
dave4
ビューティモイスチャー:☆☆☆☆☆
クリーミー泡洗顔:☆☆☆☆☆
どちらのダブも洗顔後に肌が整ったという感覚はありませんでした。洗顔としては働いてくれますが、キメを整えるケアまでは期待しない方がいい結果です。

◎口コミ評価
○良い口コミの傾向
<ビューティモイスチャー>
・ どこでも購入できる

<クリーミー泡洗顔>
・泡で出てくるのが便利で良い

×悪い口コミの傾向
<ビューティモイスチャー>
・ 洗顔後の肌が乾燥する

<クリーミー泡洗顔>
・泡のキメが粗い

◎結論:外出先での「とりあえず」にはおすすめ!
 どちらのダヴも、悪い口コミで取り上げられている「使用感の悪さ」を実感しました。日常使いにはおすすめできません。しかし、「洗顔料がない」緊急事態には選択肢に入れてよいでしょう。手洗い用石鹸で洗うよりは肌にも優しくおすすめできます。コスパはいいですが、使用感・汚れ落ちなど総合的に見て評価は低めです。

<検証者プロフィール>
かずのすけ
横浜国立大学大学院卒。環境学修士・教育学学士。現在は研究活動と併行し、化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などを行う。著書に『化学者が美肌コスメを選んだら』(三五館)『間違いだらけの化粧品選び 自分史上最高の美肌づくり』(リンダパブリッシャーズ)。ブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

安藤美和子(あんどう・みわこ)
化粧品開発の経験とネットワークを活かし、医師、エステティシャン、スポーツトレーナー、美容部員、美容師、など美と健康の専門家を組織化。「アンチエイジングの神様」サイトを立ち上げ、編集ディレクターを務める。サプリメントアドバイザー、化粧品検定一級の有資格者で、雑誌やWEBメディアへの寄稿も行う。

 「貼るだけで二日酔いが防げる」という「二日酔い予防パッチ」なる夢のような製品が一部の酒好きの間で話題になっており、その効能について前編でシロノクリニック銀座院副院長笠井美貴子医師に伺ってきた。後編では、人気の美容点滴と笠井医師ご自身の二日酔い対策についてもお聞きした。

■魅惑の「二日酔い回復点滴」、その効果
――シロノクリニックでの二日酔い回復点滴は、打った瞬間から効き目が表れるのでしょうか。

笠井美貴子医師(以下、笠井) 打った途端に楽になるというより、点滴を打ち終わって楽になるという感じですね。何より、二日酔いの方ですと脱水の状態で、お水を取らないといけないのに、気持ち悪くてお水を飲むことができないことが多いですよね。なので、点滴で100~200mlの水が体に戻ることで、まず楽になるんです。点滴時間は大体30分くらいです。

――こういった点滴はどういった方が受けられますか?

笠井 サラリーマンの方も多いですが、夜のお仕事の方が出勤前に受けられることも多いですね。

――二日酔い対策以外に、美容系の点滴メニューを提供されていますが、どういったメニューが人気なのでしょうか。

笠井 人の胎盤から抽出したプラセンタは、そういった成分に抵抗のない方からは人気ですね。プラセンタは栄養素が豊富に含まれており、さらに抗酸化作用があるので、肌に直接打つ方もいますよ。美白作用だったり、ニキビの炎症を抑えたりする働きがあります。夜よく眠れるようになったという話も患者さんから伺います。免疫力が高まるので、風邪も引きにくくなります。

 また、高濃度ビタミンC点滴も人気です。経口では取れないくらいの高濃度を一度に体内に入れることで、美白やアンチエイジングのほか、抗酸化作用もあります。

――ビタミンCは、取りすぎると体外に出ていってしまうのでは?

笠井 確かに、ビタミンCは汗や尿で出ていってしまうので、普段取るのであれば朝、昼、晩でちょこちょこ取った方がいいですね。ですが、ピンポイントでかなりの量を入れるとそれとはまったく別の効果が出るんです。日焼けする前にビタミンC点滴をしておくと日焼けしにくくなりますし、日焼けして赤くなった肌も引きやすいなどの効果が見られます。こうした美容点滴の際は、その方固有のお悩み、たとえば「シミを薄くしたい」などでしたら通常の点滴料金にプラス1,000円程度からで他成分の追加を対応しています。固有のご要望にあわせて用意しますので、ご相談ください。

――点滴や注射医療でよく見かける「ニンニク注射」は、効果があるなどとよく聞きますが、なにが効いているんでしょうか?

笠井 ビタミンB1が主な成分です。なぜニンニク注射というかというと、ビタミンB1はとても臭いんです。ニンニクの匂いそのものというわけではないんですが、それに近いのでニンニク注射と呼ばれているんです。ニンニクにもビタミンBは含まれているので、まったく関係なくはないのですが、ニンニクから取ってきた成分をどうかして……とか、そういうのではないですね。

――ニンニクは関係ないんですか!

笠井 はい。ニンニク注射はお薬自体も臭いのですが、打った瞬間、すぐ自分の鼻にも匂ってくる感じなんです。耳鼻科の嗅覚テストにも使われるくらい強い匂いなんですよ。ただ、自分では匂いますが、周囲の人に匂うわけではないので、そこは安心してください。ニンニク注射は匂いが苦手という方もいらっしゃいますが、打った瞬間鼻に匂いがくるので「来た! という感じがしていい」という方もいらっしゃいますね。スポーツ選手の方が試合前にされるケースもあります。それですごくパワーが出るというわけではないですが、疲労はしにくくなり、回復も早くなりますね。

――先生ご自身は点滴や注射を打たれたりしますか?

笠井 風邪気味なときはしますね。ビタミン、ニンニク注射の成分を入れたり、プラセンタも入れたりします。

――先生はお酒を飲まれますか? 飲まれるならどのような対策をされているでしょうか?

笠井 飲みますね(笑)。ビタミンBとCは飲む前と飲んだ後にたくさん飲むようにしています。あとは胃薬ですね。PPI(プロトンポンプ阻害薬)、という胃潰瘍などで処方される胃薬が酔いにくいというのは研究としても出ているので、適応外の使い方ではありますがドクターの中では先にPPIを飲んでいるという方もいます。二日酔い点滴は飲む前も飲んだ後でも受けられますので、お酒が好きな方やどうしても飲まないといけない予定がある方などは、対策方法として活用してみるのもよいかもしれませんね。

(石徹白未亜)

 「貼るだけで二日酔いが防げる」という「二日酔い予防パッチ」なる夢のような製品が一部の酒好きの間で話題になっており、その効能について前編でシロノクリニック銀座院副院長笠井美貴子医師に伺ってきた。後編では、人気の美容点滴と笠井医師ご自身の二日酔い対策についてもお聞きした。

■魅惑の「二日酔い回復点滴」、その効果
――シロノクリニックでの二日酔い回復点滴は、打った瞬間から効き目が表れるのでしょうか。

笠井美貴子医師(以下、笠井) 打った途端に楽になるというより、点滴を打ち終わって楽になるという感じですね。何より、二日酔いの方ですと脱水の状態で、お水を取らないといけないのに、気持ち悪くてお水を飲むことができないことが多いですよね。なので、点滴で100~200mlの水が体に戻ることで、まず楽になるんです。点滴時間は大体30分くらいです。

――こういった点滴はどういった方が受けられますか?

笠井 サラリーマンの方も多いですが、夜のお仕事の方が出勤前に受けられることも多いですね。

――二日酔い対策以外に、美容系の点滴メニューを提供されていますが、どういったメニューが人気なのでしょうか。

笠井 人の胎盤から抽出したプラセンタは、そういった成分に抵抗のない方からは人気ですね。プラセンタは栄養素が豊富に含まれており、さらに抗酸化作用があるので、肌に直接打つ方もいますよ。美白作用だったり、ニキビの炎症を抑えたりする働きがあります。夜よく眠れるようになったという話も患者さんから伺います。免疫力が高まるので、風邪も引きにくくなります。

 また、高濃度ビタミンC点滴も人気です。経口では取れないくらいの高濃度を一度に体内に入れることで、美白やアンチエイジングのほか、抗酸化作用もあります。

――ビタミンCは、取りすぎると体外に出ていってしまうのでは?

笠井 確かに、ビタミンCは汗や尿で出ていってしまうので、普段取るのであれば朝、昼、晩でちょこちょこ取った方がいいですね。ですが、ピンポイントでかなりの量を入れるとそれとはまったく別の効果が出るんです。日焼けする前にビタミンC点滴をしておくと日焼けしにくくなりますし、日焼けして赤くなった肌も引きやすいなどの効果が見られます。こうした美容点滴の際は、その方固有のお悩み、たとえば「シミを薄くしたい」などでしたら通常の点滴料金にプラス1,000円程度からで他成分の追加を対応しています。固有のご要望にあわせて用意しますので、ご相談ください。

――点滴や注射医療でよく見かける「ニンニク注射」は、効果があるなどとよく聞きますが、なにが効いているんでしょうか?

笠井 ビタミンB1が主な成分です。なぜニンニク注射というかというと、ビタミンB1はとても臭いんです。ニンニクの匂いそのものというわけではないんですが、それに近いのでニンニク注射と呼ばれているんです。ニンニクにもビタミンBは含まれているので、まったく関係なくはないのですが、ニンニクから取ってきた成分をどうかして……とか、そういうのではないですね。

――ニンニクは関係ないんですか!

笠井 はい。ニンニク注射はお薬自体も臭いのですが、打った瞬間、すぐ自分の鼻にも匂ってくる感じなんです。耳鼻科の嗅覚テストにも使われるくらい強い匂いなんですよ。ただ、自分では匂いますが、周囲の人に匂うわけではないので、そこは安心してください。ニンニク注射は匂いが苦手という方もいらっしゃいますが、打った瞬間鼻に匂いがくるので「来た! という感じがしていい」という方もいらっしゃいますね。スポーツ選手の方が試合前にされるケースもあります。それですごくパワーが出るというわけではないですが、疲労はしにくくなり、回復も早くなりますね。

――先生ご自身は点滴や注射を打たれたりしますか?

笠井 風邪気味なときはしますね。ビタミン、ニンニク注射の成分を入れたり、プラセンタも入れたりします。

――先生はお酒を飲まれますか? 飲まれるならどのような対策をされているでしょうか?

笠井 飲みますね(笑)。ビタミンBとCは飲む前と飲んだ後にたくさん飲むようにしています。あとは胃薬ですね。PPI(プロトンポンプ阻害薬)、という胃潰瘍などで処方される胃薬が酔いにくいというのは研究としても出ているので、適応外の使い方ではありますがドクターの中では先にPPIを飲んでいるという方もいます。二日酔い点滴は飲む前も飲んだ後でも受けられますので、お酒が好きな方やどうしても飲まないといけない予定がある方などは、対策方法として活用してみるのもよいかもしれませんね。

(石徹白未亜)

<p> 筆者が思うに、人口対比だと日本で最も珍級グルメが多いのは、変態の街「名古屋」である。その次に多いのが、極東アジア「大阪」ではなかろうか。</p><p> 今回訪れたのは、なんばCityのすぐ近くにある小さな喫茶店だ。間口は狭いが奥に長い店のドアを開けると、店内は芳しきコーヒーの香りで満ち、コーヒー好きでなくとも、なぜかホッとする気分にさせてくれる。</p><p> そして、この店の人気メニューは、コーヒーだけでなく、カレーもそのひとつ。水、米、タマネギにこだわった手作りカレーなのだが、その中に珍級なメニューを見つけた。</p><p>「バナナパフェ風カレー」</p>

出産を終えた女性たちが必ずぶつかる壁と言えば、寝不足や、新生児の世話に関わる色々なことだろうが、実は「出産」と同時に(もしくは妊娠が判明した頃から)ぶつかる壁はそれだけではない。

意外に感じる人もいるかもしれないが、壁のひとつが、「実母」の存在だ。

一般的には義母、すなわち「姑」の存在が厄介なように思われがちで、嫁姑の確執は人気コンテンツのひとつとなっているが、今回は、「母になった娘」と「その実母」にスポットを当ててみようと思う。

◎実母だから甘えて当り散らしてしまう

なぜ、妊娠中や出産後、実の母が厄介な存在になるのか?

妊娠中は体調不良で家事ができない場合に手伝いに来てくれたり、身体に気を使った料理を届けてくれたり……
出産したあとは、やはり体力が回復するまで家のことをやってくれたり、子供(孫)の世話を引き受けてくれたり……
実母は妊産婦にとって“一番の心強い味方”というイメージも確かにある。

実親が近隣に暮らしていないにしても、「里帰り出産」を選択する女性はなかなか多い。これも実家で実母に面倒を見てもらい、産後の満身創痍の体を十分に休め回復させる目的で推奨されている。

私も、子を持つ前はこのようなイメージを漠然と抱いており、妊娠(出産)したら「実母」という存在は救世主になるのだと思っていた。
なんといっても実母は35年前に、私という子供を出産した張本人。その出産・育児経験があるのだし、18年も身近で育ててくれたのだし、身も心も全て委ねられる唯一の場所といっても過言ではないだろう、と。

しかし、いざ妊娠や出産すると、イメージしていたのと少し違うと感じる女性も多いのではないかと思う。特に出産を終えてから、激しい違和感を覚えたという体験談はネット上に多くあがっている。

近い関係だからこそ遠慮がないし、初めての育児というものすごくデリケートな問題に直面している時にズケズケと口出しされるのがストレスだと感じている人も少なくないようだ。

私の実母は電車で10分程度の距離に住んでいる。一人娘の私が妊娠を報告した時は本当に喜んで、頻繁に様子を見に来るようになった。私が子を持つことがなければ、母は一生「おばあちゃん」になれなかったからだろうか。私のお腹に在る命をまるで自分の命かのように大切にしてくれていた。
いよいよ明日出産という前夜も病院に駆けつけ、緊張で眠れない私の頭や身体を1時間以上も、面会時間ギリギリまで撫でていてくれたことは一生忘れないと思う。
後から聞いた話、母が私を産む前夜の祖母の想いを重ねていたそうだ。もう他界しているが「あの時こういう想いだったのか……」と。
私も、大人になってからはあんな風に「自分が子供にかえった」かのように母に甘えることなんてできなかったけど、妊娠や出産に関する弱音だけは丸ごとぶつけられていたのは、やはり自分を産んでくれた母だからなのだろう。
無事出産を終えて退院してからも何日か家に泊まってくれ、新生児である息子の世話や家事を引き受けてくれた。

だからもちろん感謝している。一方で、そうやって、母としてのスタートを切るときに誰よりも側にいた人だからこそ、慣れてくればお互いに遠慮がなく、ぶつかりかけたことも何度もあった。

母は孫を思うばかり、そして娘の私が「良い母になれるように」と願うばかりに、意見することもあったし、私は睡眠不足や体調不良によるイライラを「誰よりも近い」母に当たり散らしていた。
「寝れない」「貧血がつらい」「何もしたくない」「息子を可愛いと思えない」こういったシンプルで雑な弱音は母にだからこそぶつけられたことだったし、要は私自身が甘やかしてほしかったのだと思う。

一番記憶に残っているのは、母乳を与えるのが嫌で嫌で仕方ない私に、「〇〇(息子)が美味しいならいいいじゃない」と母が悪気なく言ったことだ。
母は私を完全母乳で育てた。母乳の出も非常に良かったそうで、何より私と決定的に違ったのは「母乳を与えている時間がほんとうに幸せだった」という点だ。
昔からそんな話を聞いていたし、私も母親になったらこうなりたいと漠然とイメージしていたから、それが叶わなかった(むしろ授乳が苦痛で仕方なかった)ことがすごくショックだったし、「ダメな母親だ」と落ち込んでしまっていた。それだけに母の悪気ない一言が大ダメージだったのだ。

それに自分をこんなにも落ち込ませる息子の存在を憎いと思ったことだって1度や2度じゃない。母や夫は息子に「かわいいかわいい」と(そりゃそうなんだが)声をかけるが、それがまた「こんなにかわいいのにアンタはダメな母親だ」とでも言われているような気さえして、まるで仲間はずれになっているような気にさえなった。育児なんて何ひとつ良いことない!と思った瞬間があったのも事実だ。

産後はホルモンバランスが大きく乱れ、鬱状態になる女性もいる。私もその傾向があったと今は思う。

それでも数カ月が経ち、私が息子を可愛いと思えるようになり始めたころからは、実母と「共有」できることのようが多くなっていき、母も私が自信を持って子育てしている様子を見て納得してくれたのか、私が選ぶ行動を最優先で考えてくれるようになった。

生後10カ月の今となっては、息子への想いを一番共有できるのは母であり、夫とはまた違う「母親」としての子への想いを語り合って盛り上がることもできる良い関係だ。

私の場合はこうして今は円満な母子関係でいるのだが、「子を産んでからというもの、実母との距離が上手く取れなくなった」「実母が過干渉で困る」「子供の持ち物にいちいちケチをつけてくる」など、現在進行形で悩みを深めている女性は大勢いる。

孫が可愛いばかりに口を出してしまうのかもしれないが、幼い子を持つ母親は家事に子育てに、それプラス仕事もしていれば毎日精神的にもカツカツ。「いちいちうるさい!ほっといて!」と言いたくなる気持ちも分かる気がする。

◎祖母にとっての孫はファンタジー

以前職場仲間だったC子は現在小学生の息子を持つ母だが、その昔、実母についてこぼしていた時があった。

C子は週に1度、息子をおばあちゃん(C子の実母)の家に泊まらせているらしいのだが、その時に着てくる服がみずぼらしかったりすれば、実母は新しい物(たいがい高い物)を買って着せ、少しでもお行儀の悪い言動や行動があれば「家での教育がなってない」と後から小言をいちいち言われるそうだ。

服や持ち物に関しては、価値観や、経済的に向き合う現実の違いなのかもしれない。昔は「身なり」=「育ち」とみなされることが多かったと聞くが、現代はファッションも多様化され、よほどボロボロの格好でない限りは「あの子あんな格好してるから貧乏なんだ」と思われることはないだろう。それに、裕福な家庭でもない限り、たくさん必要である子供服を毎回新品で揃えるのは難しい。今はベビー用品や子供服のリサイクルショップもたくさんあり、私もたまに立ち寄るが大体子連れの親子たちでにぎわっている。どうせ来年にはサイズアウトして着られなくなるであろう服なのだから、安いものを大量に揃えたほうが経済的だし、子供がいくら汚そうが気兼ねなく着せられるのもメリットなのだろう。私も今持っている子供服のうち、新品で購入したものは1~2割程度だ。

C子のようにおばあちゃんからのプレゼントとして高い新品の子供服をもらうのは良いが、「普段からこれぐらいのことしてあげなさい」という押し付けだったとしたら確かに余計なお世話だ。

また行儀作法についても、できていないことがあれば特に昔の人間は「みっともない」と感じる大きなポイントになるのだろう。「こんなんで人前に出たら恥ずかしい、しつけができていないと思われる」そう考えるからいちいち母である娘に注意するのだろうが、逆に非の打ちどころのないレベルで常に礼儀作法が完璧な子供がいたら、それはそれでちょっと目立つ。
「ごめんなさい」「ありがとう」が言えないとか根本的なことならまだしも、「子供らしい」とみなされるレベルでの足りなさを「お行儀が悪い」と指摘されるのは何とも窮屈だ。

親しくしている友人Dも、出産を終えた頃にはたびたび実母とぶつかったそうだ。

Dの弟や妹は先に結婚して子供もいたので、実母はDの育児と他の孫の時の育児法を比較したりして、出産を終え身も心も余裕がなかったDにはそれが重荷だったようだ。
「私は私なりにやる」というDの主張も「アンタはすぐそうやって居直るんだから……」と呆れられ、そんな調子でストレスを溜めたDは、家に手伝いに来てくれたお母さんに「帰ってくれ」と言わざるを得なかったらしい。

Dにとっても、せっかく手伝いに来てくれた実母を追い返すのは本意ではなかっただろう。しかし、私にもよく分かる。ただでさえ余裕をもって挑めないのが育児だ。自分なりのやり方を模索している最中に他者のやり方と比較されたり押し付けられたりすればかなりこたえる。

実母あるある、なのかもしれないが、物言いの特徴として、育児に対して「正解は一つ」であるかのように新米親である娘に指導する傾向があるように思う。自分もその昔、育児を経験したのだから、「こうすれば上手くいく」とか「これをしたからダメな子になった」とか、そんな目に見えてハッキリした答えがないことぐらいは分かっているはずなのに、なぜ「やり方」を決めてしまうのだろうか?

「あの子はこうやってた」「あの子がこう言ってた」……すでに妊娠・出産を経験した兄弟や従姉妹のやり方を頭に完コピし、押し付けてくる実母たちの事例は多い。良かれと思って、進言しているのだろうが、当の新米親としては「うるさい、ほっといてくれ」と反感を覚えるものだ。

私には兄弟も従姉妹もいないので親戚と比べられることはなかったが、実母は家族ぐるみで親しくしている幼馴染のY(2児の子育て中)の話をよくしてきた。新生児の服の着させ方、寝かしつけ方、オムツの替え方……思い返したらキリがないほど、間接的レクチャーを一方的に受けたものだ。

母側からすれば、とにかく「間違った子(孫)に育ってほしくない」「間違った母親になってほしくない」との思いが強いのだろう、現在立派に母親業を遂行しているように見える身近な人物をお手本にさせれば無難と思うからこそ、彼女らがやっていることを「正解」として提示するのだろう。

それに、子を産んだばかりで余裕がなく右往左往している実娘を手助けしたい親心が、「こうすればいいのよ」と道しるべを作ってあげたくなるのだろうか。

私の母は元々固定概念に捉われた考え方をするほうではなく、どちらかと言えばオリジナル性の強い破天荒タイプなのだが、初孫ができた時だけは型にはまるかのように「一つの正解」だけを追い求め、こちらも少し驚いた。

私が妊娠中のある日に母が言っていた。

「あんた(私)は、私がこの手で幸せにしなければと思うリアルな存在。でも赤ちゃん(孫)は、“宝物”のような存在」、と。

皆が皆そうではないかもしれないが、祖母に取って孫の存在というものは、そこまでリアリティがなく、ただただ、幸せであってほしい、健康に育ってほしい、そういう「願い」そのものなのではないだろうか。

綺麗な服を着て、お行儀よく誰からも愛されて、勉強も運動もできて……子供の頃にあこがれるヒーローのような存在というか、概念的なものなのかもしれない。

だからこそ、「願う」だけではない、子のリアルな姿と一番近くで寄り添って生きていく母親とは価値観が合わなくても当然だ。

◎親として、自分で正解を見つけたい

私は初めての育児だったので、毎日何が正解かわからないまま不安と闘っていたし、本当なら周りが上手くいった方法を耳にすれば「有り難い」とさえ思う状態のはずなのだが、他の人のやり方を押し付けられるぐらいなら、何一つ分からず八方ふさがりになっているほうが100倍マシだったように思う。

このちょっと普通とは違う、イレギュラーな精神状態に、娘が母に食ってかかりたくなる理由があるのだと思う。

たとえばもし取扱説明書のない家電を購入して手こずっている時に、使い方をレクチャーされれば助かるだろう。漠然と「こんな料理が作りたいけどやり方がわからない」という時に、具体的なレシピを渡されたら嬉しいだろう。

でも「育児」だけはなかなかそうはいかない。

素直に子育て中の友人などにアドバイスを求めるケースもあるだろうが、何から何まで他者のやり方に沿って子育てする母親なんているだろうか?

どんなに試行錯誤して苦しんだとしても、他人の「やり方」なんて本当は必要ないのだ。
「もういやだ、楽になりたい」と思いながらもやっぱり、自分で悩んで見つけた答え、すなわち母子ともに日々重ねていく足並みや呼吸が、育っていく我が子の「結果」でありたいのだと思う。
それを模索してもがいてる時に「あの子はこうしてた」だのとお手本を示されても困る。しかし「自分は自分でやっていく」と主張すれば「素直じゃないんだから」と呆れられる。
そもそも、素直である必要なんてまったくない。「この子の母親」は世界中で自分一人しか存在しないのだから。

少なくとも、母となった私にはそんな想いがある。
面倒臭がり屋で、そこに答えがあるなら大概のことは食いつく私だが、それでも育児に関してだけは他者のやり方なんて不必要だった。
もちろん余裕なんて限りなくゼロに等しかったし、「私ならやれる! 大丈夫!」と得体の知れない自信があったわけでもない。
でも出産から10カ月経った私がいま息子を可愛いと思うのは、私の身体から生まれた命だからということではなく、私オリジナルの悩みや苦労があの小さな身体と心に凝縮されていると思うからだ。
一般的にはマイノリティに分類されるやり方を多く選択してきた私だったが、毎日泣き、笑い、食べて、出して、寝て……と日々人間として発達していく息子を見ていると「別にこれでよかったんだ」と心から思える。何をしたから、ではない。結局は母親である自分自身が選んだやり方を遂行したことが、正解だったのだ。

こう考えると、祖母の立場である人間と、母である立場の人間では、同じ対象を見ているようで実はまったく違うものを見ているのかもしれない。
妊娠中から娘は母に甘え、母は娘を子供の頃に返ったかのように許容する。そうして一体化したまま、その勢いで子供(孫)を見てしまうから、行き先の違いに戸惑うのではないだろうか。
「母」と「祖母」では何もかもが違って当たり前。このことを、子(孫)が誕生する前からお互い十分認識していれば、少しは上手な付き合い方ができるのかもしれない。

■小出 愛/1981年生まれ、学生時代から10年以上スポーツ一本、卒業後はスポーツトレーナーとして第一線を志すも、いろいろあってパチ屋店員に。そこで旦那と出会い、結婚、2016年に第一子出産。プロレスは知らないけど猪木が好き。ママ友ヒエラルキーには入りません。

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